日産の国内生産は増大へ、円安で論理的なステップ

日産自動車のカルロス・ゴーン社長兼最高経営責任者(CEO)は19日、為替相場が円安に修正されてきた現状を踏まえ、国内生産を拡充する意向を示した。

日産は一部 車種の生産を海外に移管したが、円安傾向により、国内生産のメリットが再認識された一例となりそうだ。本社で記者団に語った。

日産は「ローグ」や「ムラーノ」などの生産を国内から海外に移管したばかりだった。

ただゴーン氏は、日本国内の生産拡充は戦略の転換ではなく、常に可能な限り現地生産を追及することだと強調。そのうえで「円の水準がいまは有利な状況にあり、もっと多くの稼働を国内工場で引き上げる」と述べた。

米国では「ローグ」の人気が高まっており、受注増を受けて「少なくとも10万台の増産を米国向けにする」という。これに国内工場を活用する。

日産はこれまで、中立的な円の水準は1ドル100円との見方を示していた。

このため、円安に修正された現状を踏まえると、「結果として日産の国内生産は増大する。これは論理的なステップ」と語った。

100万台の国内生産台数を維持できるかも懸念されていたが、これについてゴーン氏は、一切心配していない」と自信を示した。

一方、原油安などを背景とするロシアルーブルRUB=の大幅下落や景気減速により、日産のロシアでの販売鈍化が懸念されているが、ゴーン社長は、アフトワズとの提携が、現地のシェア拡大に寄与しており、ルーブル下落の影響は他社に比べて軽微だと述べた。

現地では日産とルノーの一部車種の価格を引き上げていることを明らかにした。現在販売している日産車のおよそ半分で、5─8%の価格引き上げを行ったという。

日産と親会社ルノーの連合は、グループ傘下にロシア自動車最大手、アフトワズを持ち、ロシアでの市場シェアは33%程度。

ルーブルは対ドルで年初来、約50%下落している。ウクライナ危機に起因する西側の制裁や原油価格の低迷のロシア経済への悪影響が鮮明になってきた。

一方、欠陥問題が表面化しているタカタ製のエアバッグについて、今後生産する車種から他社製に替えるかについては、時期尚早との見方を示した。