経済対策、総額3.4―3.5兆円で調整

政府が27日の閣議決定を目指す経済対策の大枠が18日、わかっ た。地域の消費活性化を促す2種類の交付金を柱に、対策の国費は総額3.4兆円から3.5兆円とする方向だ。景気てこ入れと同時に、裏付けとなる補正予算 では新規国債の14年度発行を0.8兆円減額し、財政再建に配慮する姿勢も示す。

対策は、地方活性化や家計支援、災害・防災対策が柱となる。

政府、与党は、目玉の灯油購入補助や観光、特産品の販売支援に使える自治体向けの2種類の交付金について、計0.3兆円から0.4兆円への上積みを検討しており、対策の国費は、最終的に0.1兆円程度上積みされる可能性もある。複数の関係筋が明らかにした。

対策の財源となる14年度補正予算案には前年度剰余金と税収上振れ分を充てる。これとは別に、復興費用の計上などの財政措置を行うため、来年1月の補正予算案は対策の国費ほどは膨らまない。

14年度当初予算に計上した41.25兆円の新規国債は0.8兆円減額し、景気てこ入れとともに財政再建にも配慮する。

 

新政権に財政再建への強いコミット期待

スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)ソ ブリン格付ディレクター(日本国債担当)の小川隆平氏は、ロイターとの単独インタビューで、政府が消費再増税を18カ月延期したことに関連して、衆院選を 受けて発足する新政権が財政再建の遅れをどう修正していくのかが、日本国債の格付け判断で重要になるとの見方を示した。

小川氏は、2020年度までにプライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字化する政府目標達成が厳しいとの見方を しているが、目標実現に向けた新政権の調整力に注目。

新政権には財政再建に向けた強いコミットメントに期待を寄せているが、財政状況に改善が見られなけれ ば、格下げを検討せざるを得ないとの認識を示した。

<消費再増税を延期、財政再建の遅れを懸念>

政府は2015年10月に予定していた消費再増税を18カ月延期した。

小川氏は、日本国債の格付けへの影響につい て、衆院選後に発足する新政権の財政運営方針次第とし、財政再建に向けた強いコミットメントに期待する。

再増税を延期した理由の一つに景気停滞があるが、 「新政権が今後、景気を浮揚させた上で財政再建の遅れをどう取り戻していくのかに注目している」と述べた。

また、政府はプライマリーバランスについて、15年度末に半減、20年度末に黒字化の目標を掲げている。

小川氏は、 15年度末の半減目標はあくまでも通過点で重要視していないとしながらも、20年度の黒字化目標達成に困難さを伴うとの見方をする。その上で「黒字化に向 けて、新政権がどうアジャストしていくのかがポイントで、財政状況が改善しない、あるいは悪化するのであれば、現行の格付け維持の妥当性を検討せざるを得ない」と話した。

各メディアの衆院選情勢調査では、自民・公明両党の議席獲得数が300議席を超える勢いと伝えられている。
小川氏は「与党の議席数が選挙前よりも大幅に減少しなければ、格付け上はネガティブなファクターにならない」と指摘。

仮に自民党が圧勝するケースになれば、政権が安定して、格付け上は単純にプラスに働くとの見方を示した。

一方で、自民党圧勝によって、党内緊張が緩むことを懸念。

「党内対立の構図や公明党 との関係に悪影響が生じる事態になれば、決してプラスとも言い切れなくなる」として、選挙結果を受けた政治情勢を見極めていく考えだ。

<日銀の大規模な国債買い入れ、金利急騰リスクを懸念>

日銀は10月31日の金融政策決定会合で「量的・質的金融緩和(異次元緩和)」の拡大を決定。
国債買い入れペースを年80兆円として従来から約30兆円追加した。
日銀の国債保有比率が来年には30%を超える見通しだ。

国債市場は日銀の大規模な買い入れによって流動性が低下している。
小川氏は、緩和策が長期化した場合、その巻き戻し 局面における国債金利の急騰リスクを懸念。

「日本政府の資金調達コストが低水準であるため、金利が跳ねあがった時に生じる財政上のリスクが財政再建にネガ ティブに働く可能性がある」と述べた。

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